名古屋の探偵さんと結婚式
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  新しいアルバイト

本職以外にわたしのしていたアルバイト。

一人暮らしを維持するのは意外に大変なもの。
それを維持するために、始めたアルバイトは一般的には水商売と称されるもの。
ストーカーがお客さんだと知ってから、アルバイトを続けるのが怖くなってしまっていた。

それに。
調査のために、ようやく貯めた学生時代からのバイト料と、働き始めてからの貯金を使い果たしてしまった。
この先、不安で仕方がない。
切りつめて生活すれば何とかなる?
とも、考えたけれど、もし、また何かあったときにどうしよう、なんて考えると眠れない。

お店の店長さんに、ストーカーのことを話し、辞めることを承諾してもらったけれど、もう一度復活しようかと悩んでいた。
その不安を相談したのは・・・。
そう、探偵さん。
これがアフターケアに入るかどうかはわからないけれど、頼ってしまいました。

というか、自分が悩んで、不安でいるときに、守ってくれたり、代理で自分が先に出て話をつけてくれる姿って、とてつもなく格好よく見えてしまったりするんですよね。
その辺の男の人より、ダントツに頼れる存在に感じたり。
で、電話をかけてしまったのです。

そんなこと、と、嫌がられるかと思いきや。
「その後は大丈夫?気持ちは落ち着いた?」
という優しい声に、思わず涙してしまう。

ずるいですよねー。
ツボに入っちゃいますよ。

ストーカーがいなくなったとはいえ、もうアルバイトを続けられないくらいの不安を抱えたままだったんですから。
気を張り詰めていたことを、思い出してしまいました。

ひとしきり泣いてしまうと、すっきりして、今度は泣いたことが恥ずかしくなってしまう。
良かったら、事務所に遊びにおいで、という言葉に甘えて、事務所に押し掛けてしまいました。

もう、仕事が終わったから、と、事務所を閉め、コンビニにビールとおつまみを買ってきて、事務所で語り合ったのです。

なぜ、事務所にしたのか?
たぶん、人前で話しにくい話しだろうし、居酒屋なんかでもし泣かれると、困ると考えていたそうです。
そんな配慮、なかなか一般的な男性には出来ませんよね。

両親に反対された一人暮らしを続けていること、ストーカーへの不安がまだ続くこと、アルバイトに行くのが怖いこと、収入への不安。
いろんなことを聞いてもらいました。

途中の相槌も心地よく、話し終わったころには、かなり不安が解消されたような気になっていたのです。
なんとなく頑張っていけそうな気になったので、帰ろうかと思ったとき、探偵さんが提案してくれました。

「ここでバイトする?」
聞くと、けっこう女性のフォローが必要なのだとか。

それは、調査そのものではなく、例えば依頼者が女性の相談相手を求めてきたときや、カップルでしか浮いてしまう場所なんかへ行くとき、横にいるだけでも助かるという。

調査のお手伝いだと、調査手当てがつくし、相談から依頼につながると、それなりのバックももらえるというのですから。
また、怖い思いのしたことのあるわたしは、依頼者への相談にも乗りやすいのではないかというのです。

探偵というお仕事のお手伝いをすることに抵抗がなかったわけではありません。
ただ、これからの生活の不安。
探偵さんの近くにいれば、ストーカーの心配がないように思ったことで、OKしてしまったのでした。

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